視覚障害者向けIT講習会 雑感
あのね、子供の連絡帳に「今日はどういう理由でお休みします」とか 今まで書けなかったのよ。
それで担任の先生にお願いして、今はメールで連絡しているの。
全盲のお母さんが、嬉しそうにそう話してくれた。
学校通信などのお便りは印刷物で配布され、子供に読んで貰うにしても低学年の児童には読めない漢字が多すぎる。
明日、学校でどんな行事があるかなんて子供が伝えるのを忘れてしまったらアウト
情報が得られない分、お子さんの学校のことが不安だったに違いない。
晴眼のお母さんと同じように「明日のマラソン大会は風邪気味だから見学します」などと
メールで連絡が取り合えること、お子さんもきっと喜んでいる事だろう。
コミュニケーションツールとして、パソコンはこんな日常で大きな役割を果たしている。
それをたった3ヶ月で使えるようになったお母さんの意気込みに感動!
IT講習会をやってきて、一番嬉しかった出来事でした。
2002年1月2日 脇 美紀子
各地でIT講習会が行われる話をききます。嬉しいことですね。
せっかく安城でやったのですから、何か参考になる情報を提供できればと
起き抜けの頭を振り絞って書きだしてみました。
他の市町村で講習会をされた皆さんにも
気付いたことやご意見をいただければと思います。
IT講習会は時間も限られていて、使いこなせるまでには至らないと思うのです。
街にあるパソコン教室に視覚障害者向けのクラスができたら、
素晴らしいコミュニケーションツールとしてパソコンがもっと活かせるのではないでしょうか。
受講生のクラス分け
1.マウスを使いたい弱視の方と、音声ソフトを使う全盲の方と
同じクラスでの講座進行には無理がある。
受講者が少なかったこともあって纏められたのだと思うが
隣の受講生に案内している操作が気になって混乱する。
(数日間は個別にて対応)
2. キーボードに触れたことのない全くの初心者と
ワープロなどでキー操作に慣れている方とでは、
スタートラインが違う。
キー操作の経験などでクラス分けが必要
3. 1クラス4~5人まで
同程度の経験があっても、進度がちがう
時間
あればあっただけ欲しいものだが、ともかく時間が足りなかった。
1.1回の講座は2時間
集中力・疲れ・・・など考えると丁度よい時間だったと思う。
2.休憩
受講生のために、そして盲導犬の散歩のために必要
3.
交通やガイド、仕事の都合などで参加できる時間帯&曜日を
予めアンケート取れるといい。
内容
目的を絞って!
1.本講座の目的「インターネットで欲しい情報を探す」
2時間×4回かけてほぼクリア
2.キーボードに触れたことのない受講生に対しての
キーの探し方(インターフェイススタッフの指導の仕方)は
とても参考になりました。
3.受講生1人につき1人のサポーターをつける
プロジェクターに映し出された講師のPCの画面を見ながら
サポーターが確認
4.講座終了後・・・地域のサポーター
広報(課題)
1.点字での広報が出来ないか?(配信ルートは?)
2.市の広報の朗読テープを依頼してない人への広報は?
3.盲協に入ってない人への広報は?
サポーターの育成
1. 講座開始1ヶ月前より、テキストに沿った4回の講習会
2.講座終了後も受講生にサポートできる地元のサポーターが必要
準備したもの
・キーボードの立体コピー(特別キー編・文字キー編)
・点訳テキスト
・墨字テキスト
・サポーターのためのテキスト
・六点入力対応キーボード
・Windowsの基本キー一覧、HPRの基本コマンド一覧、IEの基本操作キー一覧
・受講生の個別申し送り書
(スクリーンの表示設定・入力方法・理解度・進行状況・希望など)
ソフトのダウンロードについて
これからメールを始めたい人が、いきなりソフトをダウンロードすることは困難です。
今回は代理でダウンロードをして各自でユーザー登録をしていただきましたが、それでもかなり時間がかかりました。何かいい方法はないでしょうか。